3月18日にオープンした希少ブランド牛「尾崎牛」を使う焼肉レストラン。月70頭しか流通しないブランド牛を中四国で初めて一頭買いし、希少部位を「尾崎牛本日の特選部位8種盛」(2〜3人前、4500円)などで提供する。運営するダイヤホーム飲食事業部の下田聖也部長は、
「独特の飼育方法でうま味が凝縮され、油の融解点が低く胃もたれが少ない。希少ブランド牛のさらに希少な部位を堪能できる」
フレンチやイタリアンなどの一品料理にも力を入れ、6600円のコース料理も用意。元五つ星レストランなどで約20年経験を積んだワインソムリエの野村有希氏による熟成ワインとのマリアージュも味わえる。
「焼き肉が目当てのお客さまが多いが、より尾崎牛の良さを引き立たせる料理やワインを多くそろえている。尾崎牛を食べたことのある人にも来店していただき、新たな楽しみ方を提供したい」
三次市君田町で道の駅ふぉレスト君田を運営しています。
子どもの頃からカープが好きで、中学時代は左利きでピッチャーだったことから江夏ファン。しなやかできれいなフォームから内角低めに繰り出すストレートに憧れました。江夏投手といえば、1979年の日本シリーズ最終戦「江夏の21球」ですが、満塁のピンチで衣笠選手に掛けられたといわれる一言に感銘を受けました。古葉監督に交代させられるのではないかと動揺している中で「周囲のことは気にせず、目の前の打者に集中しろ」と言われ、江夏投手は冷静さを取り戻してスクイズ阻止などで9回裏を抑えました。この言葉は、私の現在の仕事観にもつながっています。
温泉や宿泊、美術館の運営など複数の事業を手掛けますが、一番大切なのは「目の前のお客さまに集中する」こと。特にあいさつの声掛けは「ありがとうございます(ました、ではなく)」と進行形にすることで常に感謝の気持ちを持つよう意識し、「いらっしゃいませ」の後に「お待ちしておりました」などと続けることで、コミュニケーションを図ります。何事も目先の一つ一つに集中することが大切です。
先日のカープ開幕3連勝も同じで、打者一人一人が目の前の投手に向き合い、着実に次の打者につなぐことを常に意識したと思います。ホームランは菊池選手のソロ1本ながら、3戦合計28得点という大量得点に結びついたのはそれが理由ではないでしょうか。鈴木誠也選手が抜けた穴を打者全員でカバーすることでリーグ優勝、さらにその先の日本一を達成してほしい。
売れないと嘆いても仕方がない。昨秋、広島県の「小売業ECイノベーション実装支援事業」に採択された百貨店の福屋はじめ、県産食品や伝統工芸品などを販売する小売業6社が電子商取引(EC)を活用し、新たな販路開拓に乗り出す。
補助金(補助率10分の9)は6社で最大計1億8000万円。各社は受け取った補助額の5倍以上の売り上げ増を3年間累計で稼ぎ出す計画だ。6社のトップ、担当者や関係者らが集まり、3月29日に事業報告会が中区紙屋町のイノベーション・ハブ・ひろしまCampsであった。
福屋はオンライン共創コミュニティーを立ち上げ、顧客を巻き込んだ商品発掘・開発モデル構築を目指す。備後絣(がすり)が伝統産業の福山市で染料を扱う岩瀬商店は、染物技術を生かした羽織風のポンチョを禅宗の体験などができるVRとセットで売り込む。ウェルネス市場が活況な米国シリコンバレーを主ターゲットに海外市場に参入する。
三原市でワイナリーやレストランを営む瀬戸内醸造所は自社で造ったワインと地元果物の加工品を組み合わせたセット商品の販売を計画。ギフトショップ18店を展開する大進本店は、店舗とECサイトの顧客情報の一元管理で地域サービスを強化するほか、絵本と県産野菜をセットにしたサブスク型ギフトサービスを目指す。
尾道市で創業し、イカ天瀬戸内れもん味がヒット中のまるか食品は地域の事業者と手を組み、2月に瀬戸内産品のセレクトECサイトを開設。seedsは生カキや小イワシなどを瞬間冷凍し、年中新鮮な味をオン・オフラインで楽しめる取り組みを始めた。既に参加企業の間で連携も始まっているという。
同支援事業は県が2018年度からスタートした、デジタル技術を利活用して新しいソリューションや価値の創出を目指す実証実験の場「ひろしまサンドボックス」事業の一環。文字通り砂場で思い思いに作ってはならし、試行錯誤することでイノベーションを生み出すエコシステムの構築を目論む。
EC市場はコロナ禍で物販系に弾みがついた。経済産業省によると20年の市場規模は前年から21.71%伸び12兆2333億円、EC化率は1.32ポイント上がり8.08%。総務省調査でネット人口は19年で総人口の9割に迫り、世帯当たりスマホ保有率は83.4%に上る。今後ECは小売業者にとって未来を開く鍵となるか、対面販売の脅威になるのか。いずれにしろECを避けて通る道はなさそうだ。
県商工労働局中小・ベンチャー企業支援担当の亀本健介課長は、
「ECの手法を取り入れて新たな視点で構築したビジネスモデルの横展開を見据え、企業規模や事業領域が異なる6社を選んだ。ファンがインフルエンサーの役割を果たし、新たに獲得したファンの囲い込みで好循環のスパイラルを生み出す。広島には魅力のある農水産品、加工食品、伝統工芸品などがいっぱいあり、その可能性を掘り起こし、生かす着眼が大切ではないか。1社のモデルが実証されると産地などの仕入先や取引先に波及していく。国内外へ販路を広げることで県経済にもたらす相乗効果は大きい」